PROJECT FILE 02
現場は首都圏の郊外を結ぶ主要道路(国道16号線)と
2社3路線が乗り入れるターミナル駅(橋本駅)を擁する
交通が集中する地域です。
近傍にある圏央道相模原ICが開通すると国道413号線、
町田街道のさらなる交通渋滞が見込まれたため、
早急な道路整備が必要とされていました。
その対策の一環としてこの地域に新設道路が造成されることに
なりました。道路はJR横浜線の下を約390mにわたり
アンダーパス化(地面を掘って線路の下に道路をくぐらせる)、
その壁面部分に日コンの「PC-壁体」が採用されました。
1992年入社。PC- 壁体営業部、基礎営業部、PC壁体・擁壁営業部を経て、西日本基礎事業部 九州支店 沖縄営業所へ。現在、沖縄地区での営業に携わっている。
PC-壁体とはなにか?
PC-壁体は断面が正方形の柱状のプレストレストコンクリート部材で、形状は☐500~900の正方形断面まで様々なサイズがあります。
このPC-壁体を一本ずつ埋設し並べ立てていくことで壁を構築します。PC-壁体は自立式構造なので仮設工程の簡略化が図れることが大きなメリットです。主に道路の擁壁、河川護岸、橋台基礎などに多く採用されています。
PC-壁体が採用された背景
新設道路が計画されたJR横浜線 相原駅~橋本駅間は、マンションや民家が密集する市街地です。騒音や振動、既存の埋設管等への影響が懸念されるため、迅速かつ周囲への影響が少ない工事が必要となります。
PC-壁体工法ならば大規模な仮設が必要なく、他の工法と比べて工期を短縮できること、埋設管等への影響も少なくできるという点を評価され、本件のアンダーパス部分の工事に採用されました。
予定通りの開通、渋滞緩和に貢献
現場の土質条件にあわせた大型重機と工法を採用して、複数の工区を同時進行で施工が行われました。
その結果工事は順調に進み、対象区間は予定通り開通日を迎えることができました。
また、このアンダーパスが開通したことで、近隣住民は従来の混雑する国道を通らずにターミナル駅方面へ抜けることができるようになり、渋滞緩和に貢献することが出来ました。
本件は常に時間との戦いでした。
与えられた期間が8ヶ月、その間に547セットのPC-壁体を製造し施工を行う必要がありました。
私自身は営業担当で少しでも製造や施工に時間を掛けられる様に出来るだけ早期の契約を目指しましたが、発注工事区域が2工区に分かれていた事もあり、午前と午後別々の契約交渉を行う事もありました。
また、本工事期間中に消費税が5%から8%へ引き上げられたため、消費税5%期間に出荷される材料の検収を行う必要が生じ、工場との連絡や資料作成に苦労した事も有りました。
結果として、本件は予定期間内に施工を終了する事が出来ましたが、施工開始に合わせた材料製造では工場の力があり、難しい地盤状況に対しての施工は工事部や協力会社の力があり、ひとつの物件を完成させるためには会社全体の力が必要であると改めて感じる事が出来た案件となりました。