

PROJECT FILE 05

令和2年7月に長期にわたり梅雨前線が本州付近に停滞し、九州に多数の線状降水帯が発生しました。
熊本県を流れる一級河川の球磨川が氾濫・決壊し川沿いの国道も道路擁壁の崩壊、
橋の落橋等多数の被害を受け、地域経済に大きな打撃を与えました。
その道路擁壁の復旧や新設擁壁として「親杭パネル」が採用されました。
2006年入社。関西をはじめとする西日本地区において、親杭パネルやPC―壁体など、入社以来一貫して土木製品の設計・営業に従事。本プロジェクトにおいても設計図書作成などの迅速な対応に努め、早期の災害復旧へ貢献。

親杭パネルとは、土砂の崩壊を防ぐための土留め壁の一種です。
鋼製の親杭(柱)と、事前に工場で作ったコンクリート製のパネルを一体化させて構築することで、地盤を安定させ、土の流出や崩壊を防ぎます。
親杭パネル工法は、施工手順が比較的簡素で施工スピードも速いため、道路拡張工事や、地震や豪雨などによる災害後の復旧工事において多く採用されている実績ある工法です。
この道路は以前から道路拡幅工事を行っており、親杭パネルも一部施工されていました。
災害後多くの擁壁が被災した中、親杭パネルは構造上全く問題ない状態で残りましたので、国土交通省、建設コンサルタント、ゼネコンへPRを行い、別工法で採用されていたものを親杭パネルに変更していただきました。



工事着工にあたり、設計計算書、設計図面、数量の作成が必要となります。
親杭パネルは他社との共同開発製品であり、今回は自社だけではなく他社と協働で対応にあたりました。
リアルタイムに打合せを行い、方針を決めていく必要があったため、大人数体制は反って時間的ロス、情報伝達ミスが生じるとの考えから少人数体制での対応としました。その結果、スムーズな設計図書の作成ができました。
また、施工が始まってからも現場地形が変わっていたり、地中障害が出てきたりと工事がストップすることが度々ありましたが、その都度対策案を検討して早急な対応を行うことで工事のストップ期間を短くできました。
親杭パネルは工場製品のパネルを現場で据え付けるため、現場工程は他工法に比べ大幅に短縮されます。
しかし製作パネル数が数千枚と、過去に類を見ない数量となるため、自社工場、他社工場含め4工場で供給体制を整えました。
これにより供給の遅れもなく、現場工程の短縮に貢献しました。
この現場は河川沿いの道路擁壁のため、渇水期(河川水位が低い11月~5月)しか施工ができません。
この限られた期間の中で工事ストップ期間の短縮、遅延のない製品供給により安全な道路の早期開通が実現しました。
また、スピード感をもって設計対応、現場対応したことにより発注者の信頼を得られました。
現在も施工が続いており、今後も他社との連携を図りながら貢献できるように努めてまいります。
災害現場を実際見た時、こんな大きな川が氾濫するということの恐怖を味わいました。
災害で道路が崩壊すると通行止めになり、地元の方々の生活はもちろんのこと、地域経済に大きな打撃を与えます。
特にこの道路は迂回路がないため、安全な道路の早期開通が求められました。
私は営業・設計を担当していましたので、まずは工事着工ができる設計図書の早期作成に注力しました。
災害規模が大きいため自社だけではなく他社との協働チームで対応し、設計図書の早期作成を実現しました。
工事が始まってからは様々な変更が生じ、その都度設計見直しを行うという苦労もありました。
製品に関しては製造工場との打合せ、製品納入に関しては現場との打合せが必要になりますので、何度も工場、現場に足を運びました。
特に製品納入は納入時期が各現場と重なるため、その調整にかなり苦労しました。
結果として苦労した甲斐もあり、安全な道路の早期開通が実現したとともに、発注者からの信頼を得られました。
今後も引き続きお客様へのPRだけではなく相談にのれる技術営業マンとして活動をしていきます。