台風の時って、本当に心配になりますよね。
電柱は「100%大丈夫」とは言い切れないのですが、可能な限り倒れないように、設計・製造が行われています。
電柱がどれくらいの強さの風圧に耐えられるか、設計の仕方は法律で決められているのですが、
実は、求められる強さは都道府県ごとにまったく違うんです。
例えば、台風が頻繁に通過する沖縄県では、
風速46m/s※もの強風に耐えられるように設計することが定められています。
ちなみにJIS※認証取得した電柱を日コンの工場で造っていて、安定した品質の電柱を製造できているかを
「曲げ性能試験」という試験にかけて、とても厳しく検査しているんですよ。
※照明、ネット、アンテナ等の用途で建築基準法に従う場合。配電線路用、通信線路用は別途の定めによる。
※JIS:日本産業規格。Japanese Industrial Standardsの略。
少しずつ強い力を加えていき、電柱が曲がって行っても壊れないかを検査するのが「曲げ性能試験」です。日コンでは3,000本に1本、1ヶ月に約2回※の割合でこの試験を行っています。「あの硬い電柱が、そんなに曲がるわけない!」と思う人もいるかもしれませんね。でも、電柱って想像以上に曲がるんです。動画をご覧ください。
※当社グループ川島工場の場合
実は、電柱はコンクリートだけではなく中に鉄筋が入っていて、さらに特殊な工夫がされています。コンクリートは圧縮される力にはとても強いけれど、引っ張られる力には弱いという特性を持っています。引っ張られるとどうなってしまうかというと、コンクリートの表面にひび割れが発生してしまうんです。
例えば台風などの大きな風の力によって表面にひび割れができてしまうと、そこから水や空気がコンクリート内に入り込み、内側から鉄筋の腐食が進んでいってしまいます。それでは電柱を長い期間、安心して使うことができませんよね。
そんな課題を解決するのが「プレストレストコンクリート」なのです。
プレストレストコンクリートとは、あらかじめ(Pre)ストレスを加えた(stressed)コンクリートということ。
電柱はまず鋼材で枠組みを作り、鋼材の周囲にコンクリートを注入して成形していくのですが、コンクリートを注入する前に、引っ張る力を鋼材に加えていきます。引っ張る力を与えられた鋼材(緊張鋼材)はコンクリートで固められても、元に戻ろうとする力(圧縮力)を持ち続けます。それが風など外からの力による引っ張り力を抑え、ひび割れを抑制する力になるのです。たとえひび割れが発生しても、元に戻ろうとする力が働けば、ひび割れがピタッと閉じて、内部に水や空気が入らなくなるのです。
台風などの風により電柱に強い力がかかっても、しなやかに曲がることで折れることを防ぐこと。そして、曲がってひび割れが発生しても、元に戻ってひび割れをふさぐことができること。
そんな台風にも負けない強い電柱を作り上げるために、日コンは厳しい検査を行っているのです。
ARCHIVE