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カタイハナシをやわらかく 人を想うラボ I think the people
# 03

「コンクリートが音を吸い込む」
ってホントなの?

はい、本当です。
もうちょっと細かい話をすると、“コンクリートの仲間”です。
コンクリートと同じ、セメントとシリカを主な成分とする「ポアセル」という素材が、
音を吸い込む力を持っているんです。
音を吸い込む力のことを「吸音(きゅうおん)」と言います。
発生した音をポアセルが吸収することで音の反射を防いで、音が室外に漏れたり、
室内での反響を抑えたりすることができるんです。
ポアセルは、主にビルの屋上や駐車場、工場、公共の建物などで使われているので、
なかなか気づかないかもしれませんが、みなさんが暮らす街のいろいろな場所で活躍しているんですよ。

小さな穴が連なる構造で、優れた吸音能力を発揮。
コンクリートと同じ、セメント生まれの吸音材「ポアセル」です。

みなさんは「防音対策」という言葉を聞いたことがありますか?発生した音を外に出さないようにすること、また音が外から中に入ってこないようにすることなどが防音対策です。音楽室やカラオケルームをイメージすると分かりやすいかもしれませんね。防音対策は、「遮音」と「吸音」からなっていて、伝わってくる音を跳ね返すことで音を遮断することが「遮音」、発生した音を吸収するのが「吸音」といいます。

吸音材として広く使用されているのは、繊維でできたグラスウールやロックウールという素材で、とても高い吸音能力を持っています。私たち日コンの「ポアセル」も、そんな吸音材の一つです。ただ、グラスウールやロックウールとは違って、繊維ではなくセメントでできた吸音材。“コンクリートの仲間”であるからこその特徴が、ポアセルにはあるのです。

ポアセル
遮音と吸音の違い
吸音率の比較

ポアセルは、「剛体多孔質」の吸音材。…なんて言われても、分かりにくいですよね。「剛体」は、どんなに力を加えても変わらない物体のこと。そして「多孔質」は、表面にたくさんの小さな穴が開いている状態のこと。二つの言葉を合わせると、ポアセルは「硬くて表面にたくさんの小さい穴が空いている吸音材」ということになります。実際のポアセルの写真を見てみると、確かに小さい穴がたくさん開いていますね。この直径0.1〜1.0mm程の小さな穴がすべてつながっていて、体積の85%を占めているんです。

ポアセルの中はいくつもの小さな穴の部屋が連なっていて、この穴に音エネルギーを取り込み、内側の壁に音を接触させることで摩擦熱に変換して吸音しているのです。その小さな部屋の壁も拡大してみると、無響室(音の反射をほとんどなくした部屋)で使われるようなくさび状のカタチ(トバモライト結晶といいます)になっているんです。グラスウールやロックウールに負けない吸音力の秘密は、自然が作り出すカタチにあったんですね。

ポアセルの顕微鏡での拡大図
無響室

ポアセルの特長は、グラスウールやロックウールに匹敵する「吸音性能」だけではありません。ポアセルには風や雨、紫外線などの天候条件に左右されない「耐候性」「耐水性」「耐風性」があります。また、火災が発生してしまった場合でも有毒ガスなどを発生しない「安全性」や、カッターなどの工具で簡単に加工ができる「施工性」の良さも大きな特長です。繊維系吸音材では使用の難しい、屋外雨がかり部や高湿度部、結露部、気流発生部などで活用できるのが、ポアセルの強み。

屋外の雨がかり部で、なんと二十数年の施工実績があるということからも優れた耐久性をうかがえます。
コンクリートと同じ成分でできたコンクリートの仲間・ポアセル。みなさんが暮らす街のいろいろな場所で活躍しているので、これからはちょっと気にして見つけてみてくださいね。

変電所防音壁
清掃工場
屋内プール
屋上屋外機置場
洗車場
工場防音壁
インテリア性を備えた吸音パネル「ポセット」
山本 聡

今回答えた
「人を想うラボ 研究員」

山本 聡

都市基盤建材営業部 ポアセルグループ
2012年入社より、ポアセルグループに配属される。
入社以来、ポアセル一筋で、営業から現場施工まで一貫して携わっている。

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