menu

お問い合わせ

閉じる

カタイハナシをやわらかく 人を想うラボ I think the people
# 02

電柱をつくる時に、
ゴミとか出ないの?

はい、残念ながらゴミは出てしまいます。
そのゴミは「コンクリートスラッジ」と呼ばれています。
みなさんが街で見かけるような電柱の形にしていく過程で、トロッとしたものが発生します。
それがコンクリートスラッジです。
日コンでは、これまでゴミ(産業廃棄物)として扱っていたこのコンクリートスラッジを、ただ捨てるのではなく、
上手に活用できないかと10年程前から研究を重ねてきました。
そうして開発されたのが「PAdeCS(パデックス)®」という製品です。
このPAdeCS®を使うことで、将来的に利用可能な素材として地球上から減少していくだろうと言われている貴重な資源である「リン」のリサイクルが可能になります。
人の暮らしを支える電柱ですから、地球環境もしっかり支えたい。これも私たち日コンのこだわりです。

電柱をつくる時に出る“ゴミ”を捨てずに活用。
貴重な資源「リン」のリサイクルを実現する新技術を開発しました。

「そもそも、リンって何?」という人も多いかもしれませんね。
リンは、実はすべての動植物にとって、生きていくうえで欠かすことのできない元素で、皆さんの体の中にも成分としてあるのです。地球上では、そのリンは、食物連鎖、自然還元の大きなサイクルと、リン鉱石採掘から工業製品、生活用品に姿を変え、やがて廃棄される流れのなかで存在しています。
ここで心配されているのが、数十年後にはリン鉱石が枯渇して採れなくなってしまうとの予測です。そのため、各国はリンの回収に取り組んだり、国外に輸出しないようにしたり…。とても貴重な資源であることから、その価格も上がってきているのです。その一方で、リンは下水や湖、沼の底に大量にたまっているということも知られています。でも、その活用はごく一部でしか行われてきませんでした。そんな状況の中、リン鉱石のすべてを海外からの輸入に頼っている日本にとっては、リンのリサイクル技術の開発が大きな課題となっていたのです。

リン鉱石 リン鉱石国別産出量 リン鉱石 リン鉱石国別産出量

日コンは産学連携※で研究を進め、それまでゴミ(産業廃棄物)として捨ててきたコンクリートスラッジから、高い性能を持つリン吸着材「PAdeCS(パデックス)®」を開発することに成功しました。PAdeCS®は、リンを回収する能力が高いことはもちろん、これまでのリン吸着材と比べて「安く」「使い勝手が良く」「大量に供給できる」ことが特徴です。しかも、このコンクリートスラッジを加工する過程では、電柱を製造する際にたくさん発生するCO2(二酸化炭素)も成分として取り込みます。リンのリサイクルを実現しながら、工場からのCO2排出量も減らせる、まさに“一石二鳥”の製品なのです。

※NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)や国土交通省の助成を受け、柳沢幸雄元東大名誉教授、山崎章弘成蹊大教授、飯塚淳東北大准教授との産学連携で研究を推進。

PAdeCS®
PAdeCS®
PAdeCS®製造フロー
PAdeCS®製造フロー
左右にスワイプできます

左右にスワイプできます

PAdeCS®製造フロー
PAdeCS®製造フロー

実際に下水処理場でPAdeCS®の効果を試験したところ、1L当たり2gのPAdeCS®投入で、1時間後にはリン濃度が1L当たり19mgが1mg以下に急減したという数値が出ています《グラフA》。これはPAdeCS®が汚水の中のリンを短時間で回収したことを表しています。こうしてリンを回収した状態のPAdeCS®は「POdeCS®」と名前を変え、リン循環を支える材料として期待されます。
またPAdeCS®は、例えば化学工場廃液などに含まれるヒ素、鉛、鉄、カドミウム、亜鉛、ホウ素、フッ素などの有害物質や、湖や沼で発生するアオコの除去など、様々な水質・環境汚染問題の解決に役立つことが可能です。

日コンでは、2012年にグループ企業が参加する「PAdeCS研究会」を立ち上げ、研究開発の体制強化と、リン資源リサイクルの事業化を進めています。次の世代により良い環境を受け継いでいくために、日コンは新技術の研究開発に取り組んでいるのです。

グラフA:下水処理場でのPAdeCS®活用試験結果
グラフA:下水処理場でのPAdeCS®活用試験結果
左右にスワイプできます

左右にスワイプできます

グラフA:下水処理場でのPAdeCS®活用試験結果
グラフA:下水処理場でのPAdeCS®活用試験結果
佐々木 猛

今回答えた
「人を想うラボ 研究員」

佐々木 猛

環境・エネルギー事業部 環境事業グループ
2013年入社時より、本社の環境部門に配属される。
業務内容は、環境浄化材「PAdeCS®」等の営業、用途開発の研究を行っている。