令和2年7月に長期にわたり梅雨前線が本州付近に停滞し、九州に多数の線状降水帯が発生しました。
熊本県を流れる一級河川の球磨川が氾濫・決壊し川沿いの国道も道路擁壁の崩壊、橋の落橋等多数の被害を受け、地域経済に大きな打撃を与えました。
その道路擁壁の復旧や新設擁壁として親杭パネルが採用されました。
親杭パネルとは親杭とコンクリートパネルを組み合わせた擁壁で、災害復旧工事、道路拡幅工事で採用されています。
生活道路であるため、安全な道路の早期開通
他社との協働、リアルタイムな打合せ、方針決定
安全な道路の早期開通を実現かつ発注者の信頼を得られた
この道路は以前から道路拡幅工事を行っており、親杭パネルも一部施工されていました。
災害後多くの擁壁が被災した中、親杭パネルは構造上全く問題ない状態で残りましたので、国土交通省、建設コンサルタント、ゼネコンへPRを行い、別工法で採用されていたものを親杭パネルに変更していただきました。
道路の早期開通に伴い、下記が課題となりました。
工事着工にあたり、設計計算書、設計図面、数量の作成が必要となります。
親杭パネルは他社との共同開発製品であり、今回は自社だけではなく他社と協働で対応にあたりました。
リアルタイムに打合せを行い、方針を決めていく必要があったため、大人数体制は反って時間的ロス、情報伝達ミスが生じるとの考えから少人数体制での対応としました。その結果、スムーズな設計図書の作成ができました。
また、施工が始まってからも現場地形が変わっていたり、地中障害が出てきたりと工事がストップすることが度々ありましたが、その都度対策案を検討して早急な対応を行うことで工事のストップ期間を短くできました。
親杭パネルは工場製品のパネルを現場で据え付けるため、現場工程は他工法に比べ大幅に短縮されます。
しかし製作パネル数が数千枚と、過去に類を見ない数量となるため、自社工場、他社工場含め4工場で供給体制を整えました。
これにより供給の遅れもなく、現場工程の短縮に貢献しました。
この現場は河川沿いの道路擁壁のため、渇水期(河川水位が低い11月~5月)しか施工ができません。
この限られた期間の中で工事ストップ期間の短縮、遅延のない製品供給により安全な道路の早期開通が実現しました。
また、スピード感をもって設計対応、現場対応したことにより発注者の信頼を得られました。
現在も施工が続いており、今後も他社との連携を図りながら貢献できるように努めてまいります。